ねぐち日記 毒親

「好感度なんていらない」|たとえ1人になっても曲げたくなかったこと

2024年9月20日

neguchi


僕にとって大事なことってなんだろう。と考えてみると、僕らしくいることじゃないかなと思います。


だけど、それを実現するためには結構な気力と根気が必要になるんです。挫けそうになることは山ほどあったけど諦めなくて良かった。


とんでもなく傷つく日々が続いたけど、最後まで諦めきれませんでした。最初に犠牲にすることを見つけたのは中学3年生の頃。


僕はあることを捨てることにしたんです。









多感な中学生

中学生の時、部活内で流行っていたシカト。それぐらいの時期から「みんな・心から仲良し」な人間関係に諦めを持つようになり始めました。


テニス部に所属していた僕、ある1人の女の子がターゲットを変えながら次々とシカトしていくのです。


その光景は見ていて不快なものでした。何でそんなことをするの?僕には不思議でたまりません。


ターゲットになった女の子たちは徐々に退部していき、当初9人いた部員は4人まで減少します。


彼女たちの退部の原因はやはり「シカト」でした。











何がしたいの?

あまり関わりたくなかった僕は参加することもなく見ているような俯瞰的な立場にいました。部活する場所なのだから、テニスに集中しとこうと思ったのです。


しかし、シカトは自然と消えていくことなく永遠と続けられています。そんな光景に嫌気が刺した僕は、ついに言ってしまいます。


「いつまでそんなことするの?頭が悪いのか性格が悪いのかわからないけどどっちにしてもやめた方がいいよ」


その瞬間、場が凍りつき戦慄が走りました。


やばい、まずいこと言った。空気の読めない僕でもすぐに分かるぐらい場が凍りついたんです。


そして、次の日からターゲットは僕になりました。









それでもいいよ

あんなに場が凍りついたなら当然、次は僕だよな。


それでも良かったんです。別にいいやって感じでした。


自分だけ無視されないのも「省かれている気分だし」
あの子に嫌われても何も困らないしな
だって、好かれたところで素直に喜べないもん
人を無視して楽しむような人に好かれたら、まるで僕自身もそんな人間だと証明してしまうみたいだから。



こんな思考回路になった僕は、気にせず平然と部活を続けます。だけど、問題がありました。


それは徹底的に無視してくれないこと。ちょっと喋ってくれる子がいたりしちゃうもんだから「結局どっちなんだろう」と思うことがあったんです。


だから、ボスに聞きにいくことにします。あの子が指示してることは知っていたので本人に直接聞きにいきました。


「ねぇ、僕のこと無視してって言ったでしょ?どっちでもいいけど分かりにくいからもっとはっきりしてよ。全然してもいいからさ!」
「それにもっと分かりやすく無視してくれないと、されてるって分からない子もいるよ」


すると、その子は目を大きく見開きます。まん丸の目。


もともと大きな瞳の女の子だったので、それはもう大きな大きな目ん玉になっていました。











戸惑う美少女

その子はとっても可愛い顔です。性格は全然可愛くありませんでしたが本当に顔立ちは可愛い子でした。


そんなことはさておいて。彼女が「何言っているの?」と返してきます。


問いかけすら無視されるかもと思っていた僕は、返答があったこと自体に驚いてしまいます。


それからどんな話をしたかは覚えていませんが、「じゃあねバイバイ」と言い合って帰ったことだけを覚えています。


あれ、結局どっちなんだろう。でも、まぁいいか。









帰り道思い耽る鳥

そんな多感な女子中学生たちの感情が入り乱れる日々を目の当たりにしながら、僕は考え事をしていました。


それはある部活帰りの日、夕陽は綺麗なオレンジ色。しかし、そんな景色とは対照的に僕の気持ちは沈んでいました。


理由は「分かり合えそうな人がいないこと」


誰となら分かり合えるのかと考えると、そんな人がいそうになくて。


とにかく孤独だと感じました。それは僕の両親も含めます。


心から「分かる!」と共感できる人はどこにいるんだろう。共感がとても心地のいいことだとは知っています。


だけど、多くを分かち合える人がいそうにない。そんな現実に絶望したことを覚えています。だから、僕は夕日を見ながら泣いて帰りました。












僕に迫られた選択

天秤にかけるねぐち
  • みんなと仲良くするために「違うと思っても合わせる」
  • 嫌われるのを覚悟の上で「自分の考えを貫く」


僕は、こんな問いに迫られます。両立させることは不可能だと思ったので、天秤にかける必要が出てきました。


だって、世の中には色んな人がいるから。物差しはみんな違うから。


それなのに、自分の物差しを当たり前(=普通)だと思って接してる人ばかりで。


もちろん僕だって、みんなと同じように「自分が普通だ」と信じてやまないし。


じゃあ、みんなが嘘偽りなく心から仲良くするなんて不可能なんだ。そんな現実が辛かったし、出来ればみんなと仲良くする方がいいけど。


ねぐちの結論

僕は「自分の考えを貫く」ことを選択します。


絶対に人をいじめて楽しむような人になりたくありませんでした。たとえ、自分の好感度が下がっていくとしても許せなかった。


そんな人には絶対になりたくありませんでした。父親が僕たちをいじめて自尊心を満たしている姿を毎日のように見ながら育ったので、なおさら許せませんでした。


自分が傷つく結果が見えていたとしても、絶対に嫌でした。


いつかきっと、そんな行動を取った自分を後悔すると思ったんです。その先には、「父親のような人間になっている将来の僕」が見えました。











それはそれは茨の道で...

嫌われたとしても、自分の意思に反するなら「好感度は捨てる」と決めた僕。それはそれはもう茨の人生となりました。


多感な思春期の時期はたくさんの承認欲求が入り乱れているため毎日のようにトラブルが起きます。正直、見ているだけでも疲れる。


早く終われ、早く過ぎろ。


そんな風に思いながら学生時代を過ごします。お願いだから早くみんな落ち着いてくれ。


感情がぐちゃぐちゃに入り乱れる世界は疲れました。だけど、未成年の間だけだと思ってた僕はまだまだ頑張れました。


それを信じて生きていたんです。











社会で気づく「年齢ではない」

無事に学生時代を過ごして、就職した僕。けっこう大きな企業に就職することができました。


そこには立派な人がたくさんいると思っていたんです。ちゃんとした大人たちが仕事を頑張っている光景が広がっていると思っていました。


そんな希望は奇しくも打ち砕かれます。


「何これ、しょうもな」


社会の場にも、大人の間でも「いじめ・暴言・搾取・虚栄」たくさんの愚行が存在していました。


人は年齢を重ねれば、自然と酷いことをしなくなるわけではない」と痛感した時です。






人間性ができる過程

そうなると両親がおかしかったことも繋がります。歳を重ねるだけで、勝手に成長することはないから。


むしろ、年齢を重ねている人の方がより強固になり心が動かなくなる。というより動けなくなる。


戻り方も変え方も捉え方も見失っていて、本人が自覚すらない。変わることが出来なくなっていく様子が想像できました。


子供だから大人だからなど関係ない。人生で「その人がどうあり続けようとしたかの選択の連続」がその人の人間性を作り上げることを、僕は確信します。








だからこそ輝く人

それと同時に、僕のことを助けてくれようとした会社のおじさんの凄さを実感します。


50歳目前のその人は、「気にすんな」と言い聞かせてくれて励ましてくれた。その人は優しくて、まっすぐで、強かった。それに仕事も出来る人でした。


その人だって同じように「嫌な社会だな」と思う場面はたくさんあったはずなのに。楽な方に流されることがなかったんだ、すごい。


その人を僕はカッコいいと思いました。僕もあんな大人になろうと誓います。











迫られる選択、パート2

  • 会社の人たちに合わせて生きていくか
  • 自分らしく居れる場所を探し続けるか


社会人になり迫られたのはこの選択。新卒で就職した会社、当時の職場環境はけっこう悪かったと思います。


しかし、どの会社にもそんな部分はありますし悪い状況が一生続くかと言われると違うと思います。


働く期間は40年ほどと仮定すると、その間に職場の状況は大きく変わる。きっと時代すら変わってしまうでしょう。


ですが、一瞬でも「汚い大人たちに合わせたくなかった







ねぐちの葛藤

ねぐちの脳内

でも僕には何もないから。
たいした職歴もなく、何の資格もない。
できることは何もない、ちっぽけな存在。


社会人になり、これでもかと自分の無力さを痛感しました。だから、頑張って働かなくちゃ。


まずは目の前のことから!取り組むしかないと思い立ち、休職しては復職...を繰り返すこと5年。


諦め悪い僕はしぶとく挑戦し続けますが、さすがに凹みます。そして、身体が悲鳴を上げるのと共に退職を決断します。









呪いを解きながら探し続ける鳥

永遠と付きまとう親の呪い

幸運なことに転職先はすぐに見つかった僕。その頃はまだ、親との関係が続いていたので金銭や精神を搾取される状況が続いていました。


そのため、ライフポイントが少ない状態が続いています。


健全に生きていくためには親と絶縁する必要がありましたが、想像以上に彼らの呪いは僕の心を蝕んでおり身体が機能しません。


その気になれば簡単に振り切ることができるのに、逃げ出すことができないんです。








しぶとい鳥の再奮起

経済的にも精神的にも自立をすることが親と絶縁する最適な手段と分かっていましたが体力が限界を迎えそうなレベル。


ですが、何とか息を吹き返して僕は新天地で働き始めます。そこには本当に優しい職場が広がっていて。


「探すのを諦めなくて良かった」と感動しました。


そして、たにに出会います。


彼との出会いが僕の人生を、一気に平穏へと導いてくれたんです。









やっと見つけた、僕の居場所

自分を貫くという生き方はけっこうピンチに立たされることが多くて悩ましかったです。


しかし、その先に絶対に続けて良かったと思うことがあることを信じて。それだけを信じて突き進んだ結果、たにに出会うことができました。


選択が迫られるたびに「諦めよう」かと思うことも。楽な方に逃げるのは簡単です。


しかし、簡単なことは面白くない。僕はそれが好きじゃありません。


そのせいで弱点が生まれ、生きづらくなることとも分かっています。それでも、どうしても譲れませんでした。僕も我の強い鳥なんですね。








ねぐちの信念

譲れなかったこと

感情に振り回されて、周りを傷つけるような大人にだけはならない。
自分の心を満たすために他人を利用するような人間にはならない。

それはいずれ、他人だけではなく自分も苦しめることになるから。


両親や同級生、同僚たちの入り乱れる感情に振り回されること25年ちょっと。ようやく今、落ち着いて過ごすことができています。


父親を近くで見ながら育ったからこそ分かることがあります。それは、結局は父が一番苦しんでいる。


周りを支配しようとしているけど、本当は自分の感情に支配されているだけの父親のちっぽけな姿を確認することができました。


それは嫌なことをしてくる同級生や同僚たちも、きっと同じです。








現在のねぐち

心理士の先生に「今はご褒美の期間だ」と言われたんです。「やったー!やっと続けてきたことが認められた!」と嬉しく思っています。


だから、僕は今思う存分のんびりしています。


またエネルギーが回復したら「心からやりたいと思うことを始めるつもりです。



それでは本日は以上です。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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