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【第一話】大人になれない、大人たち|ちゃんとしてる人の正体


「あれ、お弁当持ってきたの?」


『あ、うん。昨日の残りと冷食だけどね』


「すごいじゃん!私は、コンビニ〜」


『ちょっと面倒だけどね』


笑い合う二人は、会社の昼休憩中


そんな明日香と七海は
今年、24歳と26歳になる。

「ちゃんとしたい」明日香

「また頑張ろう!」

明日香は、やる気のある子だ。


会社にはちゃんといく。
遅刻することもない。


身だしなみも整える。
巻き髪のよく似合う女の子だ。


友達もいて、月1頻度で女子会を開催。
仕事だって普通にやっている。


「頑張ろう」という気持ちの強い性格だ。
明るくてやる気がある。



でも、すべてが上手くいくわけではない。



溜まった洗濯物を見て、
「やば、そろそろしなくちゃ」


挑戦してみたハンバーグ、
「残った食材、ダメになっちゃった」


健康診断の結果、
「運動した方がいいよなぁ」



そして、週末に自分の部屋を見ながら
「そろそろ片付けよ」っと決心。


ただ、今週は疲れた。
いきなりの仕事が舞い込み、普段より残業が多かった。


「うん、来週でいっか!」

「ちゃんとしてない」七海

散らかる七海の部屋

七海が一人暮らしをする家へ。


遊びに行った明日香は驚く。


「えっ、七海でも部屋、散らかるの?」


「そりゃそうだよ。今日ちょっと寝坊したしね。笑」


急いで家を出た痕跡がソファに残っている。


服は床に散乱してる。



「ときどき会社にお弁当持ってくるけど、自炊するの?」


『できる時だけね』と答える七海。


疲れたら、惣菜を買うことにして、
夜食にカップ麺を食べることもある。


服を買いすぎることもあるようで。


七海もまた、すべてが上手くいくわけではない。




同じ職場で働くふたりは、
時々こうして話している。

明日香と七海の違い

翌週、また七海の家へと遊びに来た明日香。


「片付けたの?」


『そう、さすがにね。酷かったから。笑』



別の日ーー
『最近2キロぐらい太ったんだよね』

「あれ、ダイエット?」

『最近、夜食多かったんだよね。それ戻そうと思って』




翌月ーー
『今月買いすぎたな...来月は服買うのやめよ』




ある月ーー
明日香からのLINE通知に気づく
「七海、今週ご飯行かない?」

『ごめん、また今度でいい?』

今週は疲れていた七海は、明日香の誘いを断った。

5年後

明日香:29歳

明日香は今日も元気に暮らしている。


今週末は、友達とのランチ会だ。


「お店の場所どこだったっけな」
「てか、何着て行こうかな♪」


仕事は続けている。


「痩せなきゃな〜」
「貯金しなくちゃ」
「料理できる女性っていいよね」
「最近、疲れやすくなったかな?」


24歳の頃と、あまり変わらない会話をしている。



明日香の生活は、
今日も破綻していない。



ただ、ちょっとした未処理を
たくさん抱え続けている。

七海:31歳

七海も、劇的な変化はない。


今日もまた、明日香と同じ職場で働く。


でも、5年前とは少し変わっていた。


つくれる料理が増えた。
貯金が200万円ほど増えた。
年齢とともに太りやすいパターンを知った。
疲れた時に休息法が身についた。



自分の体を乗りこなしながら、
生活することが、
5年前よりも上手くなっていた。

ねぐちの観察

2人とも失敗はする

さて、ここからは僕"ねぐち”がお話します。


明日香と七海の二人。


どちらも完璧ではなく、
失敗もしている。


散らかしたり、
食べすぎたり、
お金を使いすぎたり...


そんな、ちょっとした失敗を互いに経験しています。


しかし、なぜでしょう。


5年後のふたりの間には、
「差」ができていました。

七海のスキル

31歳になった七海。


彼女と初めて会う人に、「ちゃんとしてる人」という印象を抱く人は少なくないはず。


しかし、そんな七海も過去に失敗をしています。


ちゃんとしてるというのは、
乱れないことではないのかもしれません。



乱れているというズレに気づき、
調整する、以前の位置に戻す。
そんなスキルが染み付いてることなのかも。



一方、明日香は
ズレに気づく、気になる、
けどそのまま。


一瞬で見ると、
ほんの少しの差。


しかし、5年も繰り返すと、
大きな差になっていました。

ちゃんとしてる人の正体

完璧な人ではない

ちゃんとしてる人って、


毎日料理する人でも、
毎日運動する人でも、
家が常にピカピカな人でもない。


むしろ、崩れかけた自分を、
自分で元に戻せる人。
なのかもしれません。



明日香は、やる気がありました。


ちゃんとしたい、頑張りたいという気持ちが、人よりも強かった。


けど、実際にズレを調整するという(行動)の方へ向かいづらかった。



七海は、自分ができないことを知っていました。


だから、『最低限は』と思い、
自分の基準を超えたら戻すように心がけていた。


その小さな習慣が、5年後に「ちゃんとしてる人」を生み出したようです。

生活は「調整の連続」

  • 体重
  • 食生活
  • 運動習慣
  • お金
  • 睡眠リズム
  • 部屋
  • 仕事
  • 人間関係


生活の中にたくさんある「整えた方がいい項目」リスト。


どれも、一度整えたらOKではないのが面倒なところです。


生きている限り、必ずズレる。


乱れないという幻想を求めるのではなく、
乱れたことに気づいて、
その原因にアプローチして調整していく。


これがちゃんとしてる人の持っているスキルかもしれません。

疑問が残る鳥、ねぐち

明日香だって、気づいてた

でも、僕には不思議なことがあります。


明日香は、いろんなことに気づいていました。


太ったな
お金使いすぎた
部屋散らかってるな〜
もっとちゃんとしたい。と。


何度も言葉にしており、それを改善したい気持ちも本当にあった。



一方で七海は、自ら調整していた様子。
誰かに「しなさい」と強制されていたわけではないんです。


ちゃんとしてる人の正体は、
単純に「やるか・やらないか」だけではないようです。

  • この記事を書いた人

ねぐち

ついつい人の悩みや選択の背景にある「構造」を考えてしまう鳥です。 感情と論理、どちらも踏まえた上で、納得できる理解を大切にしています。 「理解すること」が人生を楽にしていく流れを、ここで記録中。

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