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【第四話】大人になれない、大人たち|「選ばれなかった」を認められますか?

明日香には気になる男性ができたようだ。


七海に相談すると、
彼女にも気になる男性ができたとか。


恋愛に悩めるふたり。


しかし、彼女たちの"意中の男性"どちらも、”別の女性と付き合いだした”ことを耳にする。


「自分ではない女性が選ばれた」


あなただったら、これを認めることができますか?

それぞれの視点から見る恋愛

明日香から見た「明日香の恋愛」


明日香は、好きな男性(悠斗)に恋人ができたことを知り落ち込んでいるようだ。



その話を聞いていた七海は、
『まあでも、悠斗くんは〇〇ちゃんが良かったんだろうね』と。

その言葉に、明日香は
「うーん...でもさ、なんで?」と返す。


明日香の言い分

実際に、悠斗の方から連絡が来ていた。
ご飯に誘われていたのは私の方だ。


その日の食事だって、
間違いなく楽しかった。


それなのにさ...
彼女が出来ただと...??


それにその彼女は、〇〇ちゃん。
明日香も知ってる子だった。


可愛いが、特別可愛いわけではない。
魅力としては、
そんなに負けてないと思うのに...



なんで、あの子なんだろう。
どうして私じゃダメなんだろう?


七海から見た「明日香の恋愛」

一方で七海には、今回の明日香の恋愛が、
とてもシンプルなものに見えていた。


悠斗は、明日香にも好意的だったのだろう。
だって、明日香にも魅力があるから。




でも、

最終的に悠斗が付き合いたいと思ったのは〇〇だった。

それだけじゃないかな、と。


七海の見解

七海は別に、
「明日香が女として負けた」
なんて思っていない。


むしろ、
「明日香、結構好きだったんだな」
「そりゃショックだよな」


そう思っている。
その気持ちは分かる。


ココがポイント

ここで、押さえておきたいことがある。
「選ばれなかった=価値がない」は、
本人の中で起きている解釈にすぎないのだ。


明日香から見た「七海の恋愛」

恋に悩める二人の会話は、
七海の恋バナへと移っていく。


七海は、『私もこの前ダメだったんだよね』と話す。


相手には彼女ができたと。
なんと明日香と似たような状況だ。





しかし、明日香は驚くほど冷静に返答する。


「あー。じゃあ、なんか良かったんだろうね」
「七海がダメとかじゃないでしょ。好みもあるし」




『でもさ、その子のこと一瞬嫌いになった。笑』
七海はあっけらかんと笑う。


「まあ、七海ちょっとムッとしてるもんね。笑」
と、明日香は素直なリアクションをした。

他人のことは、よく分かる

ここで、不思議な現象が起きていることにお気づきでしょうか?
実は、明日香は知ってるんです。

  • 人が選ばれた時に傷つくこと
  • 選ばれた相手をちょっと嫌いたくなる気持ち
  • 「その男性が別の女性を選んだだけ」という事実

全部、分かっている。


しかし、
自分にも同じことが起きていることには気づかない。


自分の状況を俯瞰してみることがいかに難しいかが、ふたりの恋バナに耳を傾けていると見えてきそうです。


七海から見た「七海の恋愛」

七海は、明日香の話を聞いたあと、
自分の話に戻ってきたようです。

七海の胸中

「…………あれ?」
「私、今明日香の話聞いてて、『その子は悪くないでしょ。』って思ってる自分がいるわ。笑」

「彼の彼女に、何かされたわけでもないのに。」
「なんでムカついてたんだろ、ちょっと反省しよ。笑」


七海は、そうやって少し反省していました。



七海は、はじめから人格者なわけではありません。

嫉妬はある。
負け惜しみも出る。
嫌な感情も湧く。

でも、

ココが重要

他人を見ていて感じたことを、
「自分はどうだろう?」と、
自分自身にベクトルを向ける力

これがあるようです。

そこが、数年後の二人の恋愛を左右してるように見えてきたのでした。



——【終】「大人になれない、大人たち」第四話


ナビゲーター"ねぐち”のドラマ解説

ねぐちの疑問「どうして他人のことなら分かるんだろう?」

ここからは、ナビゲーターの"ねぐち"がお送りします。


今回のストーリーを聞いていて、
僕には、1つ不思議なことがあったんです。

明日香は、七海の恋愛なら
とても冷静に見ることができてました。


七海だって、明日香の恋愛なら
それほど難しい話とは捉えていない。


ところが、
自分の話になると、急に難しくなる。

ココがポイント

客観的に自分を見るって、難しいことかも?



もしかすると、かなり重要なポイントかもしれない...!

  • 「俯瞰して考えよう」
  • 「客観的に見よう」
  • 「冷静になろう」

言葉なら一行です。

でも実際には、そこに自分の欲望、自尊心、期待、自己像、傷つきが乗ってくる。




だから、

客観的な答えを知らないのではなく、
自分のケースだけ適用することができない。

そんなことが起きるように見えました。

「欲しかった」を認める

僕は、この”俯瞰的にみる”以前に、
大事なことがある気がしています。

まず、欲望そのものを否定しないこと。

  • 選ばれたい。
  • 好きな人に振り向いてほしい。
  • 素敵な人と付き合いたい。
  • できれば、自分が一番でありたい。

それは、自然と湧き出る感情。
おかしいことでは、ありません。

勝てたら嬉しい。
だから勝ちたい。


まず、この願望を認める。


そして、明日香の場合であれば「私は、悠斗くんに選ばれたかったんだ」


そう認めることからです。

「手に入らなかった」を認める

欲しかった。
でも、今回は手に入らなかった。

ここまでがセットです。


「欲しかった」を認めることはできても、
「でも、手に入らなかった」も認めるのは、
さらに難しいのかもしれません。


人間として劣っているという意味ではありません。
女性として魅力がないという意味でもない。



単に、自分の望んでいた結果にならなかったんです。



第四話のような恋愛の場合、

私はあなたを選んだけれど、
あなたは私を選ばなかった。

ただそれだけ。

でも、その「ただそれだけ」が痛くて、どうしようもない。


だから、つい誰かのせいにしてしまいたくなるんですけどね。

ココに注意

環境やタイミング、
実際に選ばれた女性へと
矢印を向けてしまうことも。



なぜ、こんなに難しい?

いい結果を認めることは簡単です。
ただ嬉しい気持ちになるだけだから。


ただ、望まない結果を認めることは、
自分が思っていた自分像まで揺れてしまうことがあるから難しい。

  • 「私は結構モテる」
  • 「悠斗も私を好きだと思っていた」
  • 「私はあの子より魅力的だと思っていた」

こういった自己像と現実が噛み合わなくなることもある。



だから、「選ばれなかった」という、
ひとつの事実を受け入れる過程の中で、

自分が思っていた『私』まで
修正しなければならなくなることがある。

これって、乗り越えなくてはならない心理的負担がけっこうある状況です。だから、自分を俯瞰的に見ることってやっぱり難しいんだろうなと感じます。

じゃあ、まだ欲しいならどうする?

「負けを認めて終わり」ではないんです。
その後に、「これから」に繋げることが大切。

認めたあとがある。
欲しかった。
手に入らなかった。

それからは、
それでも、まだ欲しい?
と、自分に聞いてみる。


欲しいなら考える。

  • もっと出会いを増やすのか?
  • 見た目を磨く?
  • コミュニケーションの方法を変える?
  • 自分がどんな相手を選んでるのか知る?

できることはたくさんあります。

ただし、

努力したからといって、必ず選ばれるわけではありません。

相手にも選択権があるから。
ここだけは、忘れたくないですね。

「欲しいものを変える」だって選択肢

自分が、本当に欲しいもの

こうやって色々と、一つの出来事を考えていくと別の疑問も浮かびそうです。

『私は、本当にこれ欲しいのかな?』


なんとしても最初の目標を達成する必要はありません。


自分に向かない目標を掲げてしまうことや、
自分には合わない人を理想としてしまうこともある。

現在地を冷静に見直した結果、
「よく考えると、別にいらないかも」
そんなふうに考え方が変わってもいい。


これは、諦めたのではありません。
再選択です。

欲しいなら努力する。
欲しくなくなったなら変える。

どうしても届かないものなら、
それを踏まえて別の人生を考える。


でも、そのどれを選ぶにしても、
まず「今自分はここにいる」が
見えていないと選べない。


そして、現状維持であれ、
変化を望むにしても、


自分は「その選択してる」ことを
忘れたくない。

第二話では「自分の現在地」について展開

七海が拾った「内省のタネ」

第一話から振り返ると、七海が5年間で変わっていった理由が見えてきそうです。


それは、七海が特別賢かったからでも、
失敗しなかったからでもない。


今回の恋バナひとつからでも、「あれ、それ私もやってたな」を拾う習慣がある。


つまり七海にとっては、
他人の人生まで「内省のタネ」になる。




一方、明日香も同じものを見ている。
しかも、かなり正確に理解している。


でも、「じゃあ、私は?」が発生しない。



同じ1時間の恋バナをしていても、
七海は、一つ自分について知って帰る。
明日香は七海について一つ知って帰る。

これが毎日、毎月、毎年積み重なる。
5年後に大きな差になるのは明白です。

「人生をちゃんと考える」って、もしかしてすごく難しい?

「自分の人生を、ちゃんと考えよう」


言葉にすると、
たったこれだけの文章。

でも実際には——

  • 欲しかったと認める。
  • 手に入らなかったと認める。
  • 今の自分の現在地を見る。
  • なぜそうなったのかを考える
  • 今の自分にできることを考える
  • それでも欲しいのか自分に問う
  • 欲しいなら、また動く
  • 違うと思ったら、欲しいものを変える

こんなにも自分の内側で考え、展開し、同時に気持ちの整理もしていくことになります。


しかも、その途中では、
「自分はこういう人間だと思っていた」
という自己像まで壊れることがある。


"それでもまた現在地を見る"
これは確かに、簡単ではありません。



精神的に大人になるって、
年齢を重ねるだけでは出来ないようです。


思い通りにならなかった自分の人生を、

何度でも見直すことなのかもしれません。




……だとしたら。

これを何度も繰り返せる人って、
実はそんなに多くないのかもしれません。


——【終】「大人になれない、大人たち」第四話(心理解説編)


明日香は帰宅後、悠斗の彼女のSNSを見ています。

「…………でもさ。」
「この子って、結構——」



もしも、
「選ばれなかった」という結果を
そのまま受け止められなかったとき。

その気持ちは、
いったいどこへ向かっていくのでしょう。

第五話へつづく...

  • この記事を書いた人

ねぐち

ついつい人の悩みや選択の背景にある「構造」を考えてしまう鳥です。 感情と論理、どちらも踏まえた上で、納得できる理解を大切にしています。 「理解すること」が人生を楽にしていく流れを、ここで記録中。

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